
ペットと暮らす
~成猫のケアで人慣れ強化、救える命を増やす~
全国の猫ボラさんをはじめ、シャイな猫さんと暮らす飼い主さんにとって、
なかなか解決策が見つからなかった
『シャーシャー猫をどうやって慣れさせていくか?』について、
フリージャーナリストの片野ゆかさんが、時事通信社が全国の新聞社に配信している
動物コラムで『リラねこ』の取り組みをご紹介くださいました。
その際にご質問いただいた内容をみなさんにも♪
そして警戒心の強い成猫ちゃんを救う方法があるということ、その方法について!
このプロジェクトが全国に広まり、
怖がってシャーシャー言っていた猫たちが、みんな救われることを願っています。
プロジェクト立ち上げのきっかけと時期、実績(保護&譲渡数)について。
あにまあるの子猫の保護・譲渡がすすんだ次の段階として、
成猫譲渡を強化することになったのでしょうか? by.片野
2014年6月に、あにまあるへ多頭飼育崩壊の猫が保護されて来ることが分かり、
当時の猫の収容数が100匹を越えていたこともあり(猫の収容限度数42匹)、
猫の殺処分の話しが上がりました。
(ミルクボラに出している子猫も多数いたため、戻って来る子猫分の部屋も必要でした。
センターでは、譲渡されやすい猫を優先に多くの命を救う方向で考えているため、
それまでにも人に危害を与える猫を譲渡対象には出来ないと、
シャーシャーのリラねこが殺処分の一番の候補にあがっていて、救えないことでの憤りがありました。
思い悩んでいる私に気づき、
『NPO手と手の森』の本田代表が、殺処分対象に上がったリラねこを9匹引き出した事から
始まっています。
私自身もねこの行動学や問題行動を勉強し、センターで何千匹と対面してきた経験も元に、
一時預かりさんへアドバイスをしながら活動を続けています。
リラねこプロジェクト(猫の軟化プロジェクト)は、
難易度の高い咬癖犬のトレーニングと同じで、殺処分ゼロを目指す自治体では、必要な活動になります。
今後も増えて来ることと思います。
あにまある支援隊が関わって来た『リラねこ』の数は16匹で、そのうち11匹の猫が
里親さん宅に譲渡になりました。
(手と手の森さんの実績のごく一部のサポートになります。2016.02.現在)
あにまある支援隊は、リラねこの広報面のサポートとHP・blogの製作運営、
リラねこの軟化に対する指導等を中心に動いています。
リラねこは大きく分けて、『臆病なために警戒するタイプ』と、
『攻撃行動をともない警戒するタイプ』がいます。
『臆病』なだけであれば、早い猫は預かりさんのお家で家猫修行をはじめてから、
2週目には撫でる事が出来るようになります。
『攻撃行動』を伴う場合は、ひと気のないケージで静かに休ませておく時間もとても重要です。
エサやりやトイレの掃除、猫ベットには洗濯したいい匂いの毛布をひき、毎日交換する。
※猫は、あまり強い香りは好まないようなんですが
(猫は肝臓で匂いを分解できない物質が数多くあります。)
洗濯したての石鹸がほのかにの香ったり、ふわふわになったタオルや毛布の上で
子猫の頃の母のお腹の感触や、包まれた気持ちになり 緊張を解く手助けになっていることが
多い様に感じます。
その行動を猫はしっかり見ていますので、
数週間は猫をおどかさない様によりそい、精神的に落ち着いて来た頃に、
話しかけからスタートします。
そしてリラねこになったのは、病気の痛みが原因のこともあるので、
不妊手術で麻酔をかけた時に、動物病院で健康診断もお願いする必要があります。
シェルターのケージの中では、何年経っても固まったままのリラねこも、
人の生活音や笑い声のある部屋で生活することで、驚くほど軟化して行きます。
警戒心が最強なタイプであっても、遊んでいるときやエサを食べているときには、
数か月でささっと触ることは出来るようになります。
(最強なこは、ナデテ!と寄ってくるまでには1年以上かかりますが…笑)
両方を合わせると、平均で半年くらいでしょうか。
ボランティアさんの仕事は、2段ケージで飼育して話しかけるところスタートとあります。
「シャーシャー猫」がひとまず触れるようになるまで、どの程度の時間がかかりますか?
(個体によって違うと思いますが、これまでの最長、最短、平均日数など教えてください)
「遊び」「刺激」「楽しみ」の具体例を教えてください。
『遊び』
臆病なリラねこにとって、縄張りは重要な意味を持ちます。
ケージや部屋の中を、自分の居場所として認識することで、カラダの緊張もほぐれてきますし、
『自信』にもつながります。
猫のおもちゃを獲物に見立てて、捕獲することで取った場所が『縄張り』になり、
捕獲したことで『自信』も付くと言う、一石二鳥なのが『遊び』です。
猫じゃらし、釣りおもちゃ、猫によって好きなおもちゃのタイプが違います。
『刺激』
実は…何に対しても飽きやすいのが猫です。(笑)
好きなものは、少なくても5~6種類用意する事をおススメします。
『大好きなおやつ』『大好きなゴハン』『大好きなおもちゃ』
飽きてしまうと、見向きもしなくなるのが猫なので、
それぞれのアイテムのたくさんの種類を交互に出して、
完全に飽きられる前に替えながら与えることが必要なんです。
『楽しみ』
多頭飼育の猫がみんなが仲良しであれば良いのですが、仲がよくない猫もいる事でしょう。
一緒に遊ばせることが、仲良くなる『近道』です!
その場合、釣りおもちゃを使い『飼い主』が均等に遊んであげる必要があります。
はじめは、遊びたがりの猫が優先していても、飼い主が均等に遊ばせることで
猫たちが、『遊びには順番がある』ことを学びます。
優劣があった猫社会で飼い主がボスになり、ボスの法則にしたがう『秩序』も出来始めます。
片野ゆかさんの本







フリージャーナリスト
片野ゆかさん
インタビュー
シャー猫ほど馴れるとかわいい、と聞いたことがあります。リラねこの魅力が伝わるエピソードを教えてください。
子猫から飼うときの様に、自分が遊び方を教えてあげたり、
怖くて怖くて、側に来れなかった猫が、自分の手からおやつを食べると、
みなさん。我が子の様に手放せなくなります。
リラボラさんのほとんどが、初めの頃の猫の里親になっていますよ。(笑)
はい。大丈夫なんですよ。
困った時には、先輩リラボラさんもいます。
アドバイスをうけながら、ゆったりとできるボランティアです。
オス猫よりも、メス猫の方が性質上、子育てをするために警戒心があるので、リラねこは必然的にメスが多くなります。
特に子供を産んだばかりの母猫は(母性攻撃行動)とっても最強です。(笑)
元ボス猫は、エサやりさんに可愛がってもらっていたりと、人なつっこい猫が多いです。
子猫にもやさしく遊んでくれます。
りらボラさんは、猫飼育未経験でも参加可能ですか?
難易度の高い猫特徴について。
(警戒心の強い猫のほか、元ボス猫などいわゆる独立心の強い子の場合など)
雪国の野良猫たちの状況について。
長野や新潟など冬が厳しいエリアでは、生き残れない個体も多く、それが結果的に
野良犬・野良猫の収容を抑制していると聞きました。旭川ではいかがですか?
その辺りは同じだと思います。春に生まれた猫が上手く育てば大きくなりますが、夏に生まれた子猫は、残念なことに数か月後には気温が下がり育つことが出来ません。10月から子猫は猫風邪にかかり、死んでしまいます。
もうひとつ、旭川の農村地帯では、古くからの風習でネズミ取りを仕事にする猫がいます。
そこは地域で推奨していることもあり、代々受け継がれるように猫が暮らしています。
別件ですが、旭川には野犬がいません。全国では狩猟犬から野生化する話を良く聞きますが、狩猟の犬も捨てられる事はないように思います。
子猫の社会化期に受けたトラウマで、ビクビクしている場合は、まったく失くすことは難しくなります。
コツコツと時間をかけて信頼関係により、解いていきます。
それ以外であれば、遊びによって自信をつけてあげましょう。
おもちゃを追っかけさせる⇒キャッチさせる⇒くわえさせる⇒ゴハンやおやつをあげる⇒自信がつく!
読者のなかには、飼い猫さんのビクビクを何とかしたいと思っている方が少なくないと思います。
ポイントアドバイスをお願いします。

前の質問に関連して、コラム「犬のしつけをしない」がとても興味深かったです。
音などの条件付けが大切と書かれていましたが、具体的な方法があれば教えてください。
コラム『 犬のしつけを 猫にしている? 』
http://blog.livedoor.jp/relaneko/archives/4235770.html
猫は犬とは違って、リーダーの言う事でも嫌ならしたがわない生き物です。
嫌なことは『聞こえなかった』ふり『見なかったこと』にします。
呼んでも振り向かないときは、めんどくさいからです。(笑)
その反面『猫が好きなこと』に条件づけられれば、上手くいきます。
猫缶を開ける音だと、『ゴハンだ!』と寄って来たり、
猫のおもちゃをしまってある戸棚を開ける音がすると、飛んできます。
飼い主にうるさくまとわりついて、ゴハンをねだっても、
『うるさい!』とか『ショウガナイ。』と答えたりエサをあげてはだめです!
それは鳴けばもらえると思うからなんですが、
『うるさい!』と言う言葉でも、返事をすれば『もらえるかも!?』と次もやります。
効果がある方法とは…
猫がするように『聞こえなかった』ふり『見なかったこと』にすることなんです。(笑)
